AI活用ガイド
自分の資料を検索できるAIを自前で作る(RAG)
2026年8月17日

レン
自分が書いたメモや資料に対して、AIに質問できるようにしたいんだけど…

プロクラ
それはRAGという仕組みでできるよ。モデルを学習し直す必要はなくて、「質問に関係しそうな部分を資料から探して、それをAIに渡して答えさせる」という方法なんだ。
レン
AIに全部覚えさせるんじゃないんだ?

プロクラ
覚えさせる(学習し直す)のは高くつくし、資料を更新するたびにやり直しになる。RAGなら資料を差し替えるだけで済むから、個人が扱うにはこちらが現実的だよ。
動きの流れ
- 1. 資料を適当な長さに分割しておく
- 2. 各断片を「意味を表す数値の並び」に変換して保存する(埋め込み)
- 3. 質問が来たら、質問も同じ方法で数値化する
- 4. 数値が近い=意味が近い断片を探し出す
- 5. 見つけた断片と質問を一緒にAIへ渡し、それをもとに答えさせる
VPSで動かす場合

プロクラ
構成の分かれ目は、5番の「答えを作る部分」をAPIに任せるか、自前のモデルでやるかだよ。APIに任せるなら、VPS側は検索する部分だけなので驚くほど軽い。メモリ2GB程度から始められる。
- 埋め込みの保存先: 専用のベクトルデータベースもあるが、小規模ならPostgreSQLの拡張機能でも十分
- 資料が数百件程度なら、特別な工夫なしで実用的な速度が出る
- 全文検索と組み合わせると、固有名詞の検索精度が上がる
うまくいかないときに見る場所

プロクラ
答えがおかしいとき、原因はAIではなく「探す部分」にあることが多いよ。関係ない断片ばかり渡していれば、どんなに賢いAIでも正しく答えられない。まず、質問に対してどの断片が選ばれたかを確認してみて。

プロクラ
あと、分割の仕方も効くよ。細かすぎると文脈が失われ、大きすぎると関係ない情報が混ざる。ここは実際の資料で試しながら調整する部分だね。
分割と検索の調整
- 分割は数百字程度から試す。細かすぎると文脈が失われる
- 断片どうしを少し重ねて分割すると、境目で切れた文脈を拾える
- 見出しや出典を断片に添えておくと、答えの根拠を示せる
- 候補は複数(3〜5件程度)渡す。1件だけだと外したときに答えられない
答えの根拠を示す

プロクラ
RAGの利点は、どの資料を見て答えたかを示せることだよ。答えと一緒に出典を出す作りにしておけば、利用者が自分で確かめられる。もっともらしい嘘への備えとしても効く。

プロクラ
逆に、関係する資料が見つからなかったときは「分かりません」と答えさせること。無理に答えさせると、それらしい作り話が返ってくるからね。
扱うデータへの配慮

ウィルスン
…社内の資料を、まるごと検索できる形で1台に集めたのだったな。ワタシがそこへ入れたら、探す手間さえ省けるということだ。

プロクラ
鋭い指摘だよ。RAGの仕組みは、資料を1か所に集めることになる。誰がその検索機能を使えるのかを必ず制限しよう。社内向けなら認証を必須にして、外部から直接叩けない場所に置くこと。
- 検索機能に認証をかける。公開しない
- 利用者ごとに、見せてよい資料の範囲を分ける
- 外部APIへ渡す場合、渡した内容がどう扱われるかを規約で確認する
- 資料を更新したら、古い断片を消す(消し忘れると古い答えが返り続ける)

レン
探す部分が肝心で、根拠も出せる。集めた資料の守りも忘れない、と。
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